豆腐の概念が変わる「とうふ」〜東京・青梅『とうふ工房 ゆう』が唯一無二な理由

東京都

東京都多摩地域を旅する方におすすめしたい『とうふ工房 ゆう』(東京都青梅市裏宿町570−7)について紹介している記事です。

豆腐本来の味がする「とうふ」をいただいてみませんか?

東京都青梅市 ── 

日本一おいしい豆腐を決める「全国豆腐品評会(主催:全国豆腐連合会)」。2016年から毎年開催されているこの品評会において2年連続金賞を受賞するなど、もはやその常連となった豆腐専門店がここ青梅にあるんです。


その名も、『とうふ工房 ゆう』。

JR青梅駅から徒歩で10分ほどの所に構える『とうふ工房 ゆう』の創業は、2016年3月 ── 今年2023年には7周年を迎えられました。


看板商品の1つでもある「特選よせとうふ」は、なんとも言えないクリーミーな舌触りで開幕。そして、大豆のなんとも言えないふくよかな食感や香りに癒しを覚えるその感覚は、これまで食べてきた豆腐とは全くの別物!まさに口福な逸品と言えます。

唯一無二の「とうふ」を作り続ける探求者

そんな「とうふ」を作られているのが、『とうふ工房 ゆうの代表を務める大久保 裕史さん です。豆腐屋を営まれていたというおじいさま。幼き頃より大久保さんの舌に染みついていただろう豆腐本来のおいしさが忘れられず、自動車業界の営業マンから転身。約3年半ほど修行された後、古き良き日本の風景・生活環境が残るここ青梅に惚れ込み、『とうふ工房 ゆう』を開業されました。

大久保さんご自身の理想をロジカルに突き詰め体現されていく姿勢は、「豆腐屋」というよりも、むしろ「研究者」や「探求者」といった言葉がしっくりとくる印象。日本全国にファンを持つ『とうふ工房 ゆう』の「とうふ」は、まさに大久保さんだからこそ作ることができる逸品だと、今回お話を聞いて強く感じた次第です。

全国各地の食卓を魅了する「とうふ」の秘密

一般の豆腐は大豆濃度が10%ほどだそうですが、大久保さんが作る「とうふ」はなんと15%以上にもなるのだとか。その元となる大豆は、国産の在来種。また、大豆から出来た豆乳を固めるにがりは、希少な国産天然海水にがり。

特に印象に残ったのは「大豆」についてのお話です。

一般的な豆腐には「高タンパク・低糖質」な大豆が使われるのだそうです。その理由は、タンパク質が多いと豆乳が固まりやすく豆腐にしやすいため。

しかし、大久保さんが扱う大豆は、真逆の「タンパク質は控えめで、糖質は高め」なもの。つまり豆乳が固まりにくい品種になります。豆乳が固まりにくいので、使用する大豆の量も増える ── それに比例して製造難易度は上がりますが、同時に非常に高濃度・高糖度な「とうふ」が生まれる訳です。

なお、大久保さんは、気になった大豆があるとまずその生産者さんのところに自ら足を運び、直接お話をされ、さらに作った「とうふ」を生産者さんに食べていただくのだそうです。


大久保さんは大豆に惚れ、生産者さんは「とうふ」に惚れる ── お互いに相思相愛になることで『ゆう』で扱う大豆が決まります。ちなみに、同じ品種の大豆でも「それを作る農家さんによって味わいが違う」というのも実に興味深いところ。

豆自体の甘味・風味、なめらかで舌にまとわりつくような食感、香りとか……どれか1つだけ突出するのではなく、すべてにおいてバランスが良いもの ── 

そんな大久保さんの理想の「とうふ」を作るのに必要不可欠な大豆たちは、自らの足を使い生産者さんと良好な関係を築いた上で、『ゆう』の工房にやってきます。

同じ素材を使ったとしても、同じ「とうふ」は生まれない決定的な理由

大久保さんと同じ大豆やにがりを使ったしても、おそらく同じ「とうふ」にはなりません。なぜなら、製造手法の完全なトレースは不可能と言えるからです。

その最たる理由が「機械による全自動製造は行わない」という製造スタイルにあります。

ちなみに、揚げ物(油揚げ)の調理やお店番、清掃などは奥様をはじめ従業員の方によるサポートがありますが、「大豆を仕込み、とうふにし、包装する」という核となる工程は、大久保さんがおひとりで担当されています。

1台100万円を超える機械設備たちは、“ゆう仕様”とも言うべき独自のカスタマイズがなされています。それは大久保さんの理論や経験則、さらには一瞬の判断を製造工程のすべてに“手動で”反映できる改良です。


例えば、豆を炊く時間管理(決定)や水量の調整、次の工程に豆を送り出すタイミング、そのタイミングを見極めるための状態チェックなど ── 機械のスイッチを押して豆腐の出来上がりを待つのではなく、全ての工程を大久保さんご自身が完全にコントロールしています。高価な機械設備たちは、大久保さんのサポート役でしかありません。

もちろん機械設備を使わない工程も、大久保さんご自身の手によって。この「浸漬(しんせき。大豆を磨砕しやすくするために行う仕込みの工程)」もそう。単に大豆を水に浸けて放置する訳ではありません。

わずか2〜3時間ほど水に浸けただけで、同じ品種でもこんなにも大きさが変わってしまいます。大豆の数だけ異なる表情がある、と。これらを選別し最適な判断・手段によって「とうふ」へとその姿を変えます。

「10秒変われば、風味が変わってしまう」、「その時の状態を見て、瞬時の判断が必要」など、大久保さんの言葉には終始圧倒されるばかりでした。


『ゆう』の「とうふ」は機械ではなく人 = 大久保さんの“五感”によって作られています。他ではとても真似できない「とうふ」作りの真骨頂はここにあります。

「覚悟がないと、とても出来るものじゃないですよ」

自ら足を運んで得た原材料。高価な機械設備の導入。ただ、その機械たちに頼らない五感で行う製造スタイルは、経験に裏付けされた製造理論や一瞬の判断スピード、決断力、舌の確かさ等があってこそ確立できるもの。


さらに、「とにかくいいものを作りたい」という純粋な想いと、「別の人間に頼んだら、うちの味では無くなってしまう」という不退転の覚悟。


これらのどれか1つが欠けても、この「とうふ」にはなり得ない──

唯一無二と言うべき「とうふ」が作られるのには、確固たる理由があります。“探求者”である大久保さんだからこそたどり着いた世界を、ぜひ一度体感していただきたく。今回ご紹介した内容が、読者の皆様にとって“本物”の味に触れるきっかけ、その一助となれば幸いです。

MAP

とうふ工房 ゆう
日本、〒198-0088 東京都青梅市裏宿町570−7 GoogleMapで見る

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オフィシャルサイト:https://tama-kankou.tokyo/

Instagram:https://www.instagram.com/imadekakerutama/


*取材・文・撮影:ヤマネコ

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*この記事は2023年8月時点の情報を基に作成しています。

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※本記事は、2023/08/17に公開されたものです。記事内容は現在と異なる場合がありますので、事前にご確認ください。

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