金沢で開催!「日本を旅するダイニングin北陸」プレス発表会に行ってきた/PR

石川県の『兼六園 見城亭』で2022年1月21日(金)・22日(土)に開催される「日本博×CLUB RED 日本を旅するダイニング in 北陸」のプレス向け発表会の模様について紹介している記事です。
北陸のカレーを食べ歩いて「北陸カレー物語」というサイトを作って今年でなんと24年目!
一番古いんじゃないかと思えてきたこの頃、気が付けば「いしかわ観光特使」にも選ばれ、ゆるゆると石川県を中心に北陸の食や観光などを発信し続けているナマステです。
先日、2022年1月21日(金)・22日(土)に石川県で「日本博×CLUB RED 日本を旅するダイニング in 北陸」というスゴい食文化イベントが行われたんですが、一足お先に2022年1月20日(木)に行われたプレス向け発表会にお邪魔してきました。
えっ、カレーなのに?
いえいえ、主に「カレー」を食べ歩いていて、毎日カレーを食べてるように思われているんですが、「食」自体が昔から大好きで、今でもいろんなお店を食べていて、ジャンルの違う「おいしさ」「食文化」を知ることにより、もっとカレーへの理解が深まると思って日々、活動しています。
なので、意外と食全般に関して、理解があったりしてるんです。

というわけで会場に到着! 『兼六園茶屋 見城亭(けんじょうてい)』。
実はこの日は、今冬一番の雪でした。何せ「大寒」ですしね~。
お店の場所は、その名の通り、日本三大名園『兼六園』の入り口にあって、金沢城の門、「石川門」が店内から見える位置にあるんですよー。振り向くと!

こんな感じで「石川門」が見えるんです。絶景スポットなお店なんですよ。
といいながら、『見城亭』に来るのは何十回、そして、入るのは、えっと、初めてです(笑)! 石川県民が皆、料亭馴れしているわけではございません(笑)。イメージです。
ちょっとドキドキしながら、中へ。

なぜ、ドキドキなのかというと、この『見城亭』は100年以上の歴史ある建築物に、店内はあの世界的な建築家の隈研吾氏が設計されたんです。もう素敵すぎる空間。
階段の下に隈研吾氏のサインもあって、テンションが高まりすぎて、サインを撮らないという失態でした(泣)。
初めて来た自分が言うなって感じですが、ぜひ、石川県の観光で兼六園に来られることがあったら、お食事だけじゃなくカフェ利用もできますので絶対オススメです。
メディア発表会の場所は2階で、1階には今回のイベントに関する展示が。

金沢と言えば、その名の通り「金箔」の工芸が盛んで、さらに能登では全国的に知られる「輪島塗」、また富山では「ガラス工芸」が盛んなのです。
そのような、今回のイベントにも深く関わってくる歴史ある工芸文化が展示されていました。

その中で特に目を引いたのが「あえのこと」。
何?って思いますよね。初めて聞いた言葉の方も多いはず。
「あえのこと」は、奥能登に伝わる農耕儀礼、いわゆる神事です。
国の重要無形民俗文化財や世界無形遺産にも選ばれており、難しくは調べると沢山でてきますが、簡潔に説明すると、「稲作が無事に行われるように田んぼの神様をもてなす神事」です。神社でも新嘗祭が行われるのと似ていますね。
ちなみに、「あえ=もてなし」「こと=祭り」ということで、今回のイベントに深く関わっているんです。
自分も生まれはこの辺ですが、能登の先端の家系なんですが、実際見たのは初めてなんです。どう関わってくるのかたのしみですね。

などなど、言っているうちに「メディア発表会」が始まります。うーん、たぶん自分以外は全てテレビや新聞などのメディアって感じで、いつも取材される側なので内心ドキドキ。
そもそもですが、「日本博×CLUB RED」のコンセプトは、「地域の食文化を具現化している「郷土料理」の魅力を再発見し、国内外の人たちに発信していくとともに、次世代への継承を目指す。」ということで、先ほどの「あえのこと」などの地域の食文化に、次代を担う「CLUB RED」の若手料理人が向き合っていく、と公式に出ています。
まー、自分みたいな単純な人間からすると、「全国各地に伝わる日本の食文化は伝える人も少なくなってきていて、そういう伝統や歴史的な背景のある食文化を若い料理人たちが理解を深め、文化継承として伝え発信していく」と、逆に長くなってしまって、まとまってませんが(汗)、自分みたいな食が好きな人間からすると、とても素晴らしい内容だと思います。

その、北陸の食文化を伝える若手料理人4人! 右から順番に、公式のプロフィールです。
川嶋亨(日本料理)
1984年、石川県生まれ。『一本杉川嶋』(石川)オーナーシェフ。
短大を卒業後、調理師専門学校に入学。卒業後、大阪と京都の日本料理店で腕を磨き、『居酒屋ながほり』(大阪府)、『日本の宿のと楽割烹宵待』(石川県)では料理長を歴任。
砂山利治(フランス料理)
1987年、ロンドンで生まれ埼玉県で育つ。『Les Tonnelles budoonoki』(石川県金沢市)シェフ。
「ミシュランガイド北陸 2021 特別版」にて二つ星&グリーンスター獲得。
濱多雄太(日本料理)
1984年、富山県出身。『浜多屋 魚津駅前店 hamadaya LABO』(富山)料理長。
名誉唎酒師の勲章を日本最年少で受賞。2011年には27歳の若さで日本酒とともに四季折々の料理を味わっていただく、『浜多屋 魚津駅前店』をオープン。
平田明珠(イタリア料理)
1986年、東京都生まれ。『villa della pace』(石川七尾市)オーナーシェフ。
「ミシュランガイド北陸 2021 特別版」にて一つ星&グリーンスター獲得。都内イタリア料理店で修業後2016年七尾市へ移住し『villa della pace』をオープン。宿泊施設を兼ね備えたオーベルジュレストラン。
もう、がんこやわ!(金沢弁でものすごいわ!)
この4人が、なんと昨年の7月から約半年の間、北陸の食文化や歴史を学び、生産者とあって食材を選び、器も選出し、作り上げた料理コースの発表なんですよー。
ちなみに、内2名は元々ご存じな方なのでめっちゃ楽しみです。
4人で作り上げた「八寸」

今回はメディア発表会ということで、4人で作り上げた「八寸」の試食いたしました。
もう出てきた時に「すごっ!」と言ってしまうぐらい豪華! 会場もザワザワとしてて。
ファーストインプレッションって本当に大事! 200%以上の印象を与えてくれました。特に今日にピッタリの「北陸の冬」をイメージしています。
器は九谷焼作家の森岡希世子作。
家の器から順に反時計回りに旅をするように、順にご紹介いたします。
料理:川嶋亨(テーマ:能登)

「焼わた塩辛」
まさかの一口目からの衝撃的な味。能登町は「イカづくし」なぐらいイカが有名で、そのイカわたに、奥能登に伝わる魚醤「いしる」をさらに焦がして奥深い味わいに。
「いしる」は、タイのナンプラーを和風にしたような濃い味なので、一口目から日本酒に行きたくなりました。九谷焼の家の器は、まさに一品目にふさわしい貫禄です。
「サザエの麹漬け岩のり佃煮和え」
サザエを麹漬けにしたものに岩のりを合わせてあります。能登では夏に採れるサザエを保存食として麹漬けにする文化があります。
また、「岩のり」は本当に希少で、能登の輪島の方は冬はものすごく荒波で、それで岩についた海苔を手作業で取って乾燥させる、まさにソウルフード。
麹で寝かせて中まで熟成したサザエに合う夏と冬の能登を同時に味わえる料理でした。
料理:砂山利治(テーマ:金沢)

「馬鈴薯のシューサレ ~フグの子クリーム~」
石川県には昔から「フグの卵巣」を食べる食文化があるんです。
えっ!って思われるかもしれませんが、フグの卵巣には猛毒「テトロドキシン」があるのですが、発酵の力で無毒化するんですよ。
石川県は実は発酵王国なんです。そのフグの子を使ったクリームと馬鈴薯を練り込んでシューサレにしてあります。なんかクリームのデザートを食べているような味わいでした。
「菊芋のクロケット」
こちらもビックリですね。見た目はイカを揚げたものかと思いましたが、菊芋をビューレ状にして、鰤と鰆の内臓を合わせて、乾燥させた菊芋の皮を貼り付けて揚げてあるんだそうです。
食べてビックリ、見た目と全く違った魚の香りがするコリコリ歯ごたえ十分な食感でした。
料理:濱多雄太(テーマ:富山)

「平家豆腐の最中」
こちらは富山の山の幸の一品。世界遺産『五箇山』には昔から「堅豆腐」が作られてて、平家豆腐もその一つ。
実はオープンした時に何度もお店に行った思い出の品。その平家豆腐を味噌漬けにしたものと椎茸をペーストにして、赤かぶや切り干し大根のお漬物などが、富山県で作られている最中に入っています。
豆腐をペーストにすることで、食感も全く違ってて、そこに漬物のシャキシャキ感が見事にマッチしています。
「干し幻魚のなます」
富山の海の幸の一品。魚津市で獲れる日本海の三大珍味「幻魚(ゲンゲ)」という深海魚を「いしる」につけて干したものを、人参やセロリの酢の物と大根で包み、食べられる花「エディブルフラワー」で彩どってます。
って、ゲンゲは、富山にも長く住んでた自分でも、そんな食べたことがなくて、コラーゲンたっぷりで人気急上昇の幻の魚なんですよー。
また、富山の漁師はお魚をこのように野菜と共に酢の物にする風習があるそうです。

料理:平田明珠(テーマ:能登)
「アオリイカ 背脂 おぼろ昆布」
能登の特産でもある「アオリイカ」を、まさかの背脂の生ハムで巻いて、さらに富山の「おぼろ昆布」で巻いて。
実は富山は昆布の消費量が多い県として有名な「昆布王国」なんですよ。いろんな昆布料理があるんですが、まさかのアオリイカと生ハムという北陸の文化を使ったイタリア料理です。
というか、最初は添えられた花かと思うぐらい、一番謎でしたが、まさかのイカや生ハムに驚愕でした。
「鴨 治部煮 タルトレット」
金沢の郷土料理と言えば江戸時代から続く「治部煮」が有名なのですが、イタリア料理風に再構築。
県産の真鴨の内臓をラグーソースにして、米飴やいしりを使って甘く仕上げてあります。そして、治部煮と言えば、金沢にしかない「すだれ麩」も添えられていました。

全ての料理にペアリングとして、アルコール または ノンアルコールが1つ付きます。
メディア発表会なので、ノンアルコールでしたが(残念)、八寸には「金沢産バジルと魚津産加積りんごのビール」。
この量ですが、もう飲んだことない衝撃的なバジルの香り。自家栽培のバジルを蒸留、香りと苦みを抽出して、加積りんごの酸味と甘みを加えたそうです。
ハマるととことんハマってしまう薬草系リキュールによく似た香り。もちろん、自分はハマった方です!
最初の1品でこんな状態ですが、ここから本番はさらに8品加わり9品のコースが続きます。「八寸」以外は撮影用で1品ずつ運ばれてきましたので、写真だけですが。
というか、その前に一言!
イベント当日に参加される方!
うらやましすぎるぜ!


コースのトータルスタイルは、先ほど展示されていた「あえのこと」。
食材から器まで全てこだわりがあって、まさに「食の神事」コースです!
さらに、金沢と言えば「金箔」の技術、輪島塗や九谷焼、富山ガラスなどの器、そして、「かぶら寿司」「鰤大根」などの郷土料理や、沢野牛蒡、のとてまり、熊肉、蟹などの地物食材、さらにペアリングのドリンクまで、北陸の食文化を網羅したコースとなっております。
もう一度言いますが、
うらやましすぎる!
当日参加された方のレポート、楽しみにしています!!

というわけで、「プレス向け発表会」なので、ちょっと真面目に感想など(笑)。
(上の写真は「アミューズ(フォアグラを使ったかぶら寿司)」のイメージです。)
少し話は外れますが、自分はいろんな「食」に携わっておりますが、その中でも「カレー」が好きなので特に専門としており、グローバル化によってムスリムの方が日本にも増えてきて「ハラール」を求められることが多くなりました。
ただ、少し前の日本では目の前に出されたものが戒律に沿っていればOKという認識があり、ただ本来厳格なムスリムの方とお話すると、本来ハラールは、料理で使われている食材の生産工程、調理器具、さらに餌や栄養分まで全て厳しく管理されており、日本でも数年前から「ハラール」を見直す流れになっております。
かなり話は外れましたが、この点を受けて、日本の「カレー」でも宗教的な観点ではないのですが、カレーに入っている全ての食材の生産地なども、一部で見直す流れとなってきております。
今回の「日本を旅するダイニング」に参加して、とても通じる所がある、と感じました。

また、自分は、生まれは金沢の方ですが、祖父母は奥能登の家系なんです。
ただ、そこに住んでいたわけではないので、恥ずかしながら「あえのこと」は、石川県に住んでいてもテレビのニュースで見るぐらいで、今回初めて実際のものを見て、詳しく知った次第です。
今回、この「日本博×CLUB RED 日本を旅するダイニング」で、全国のすばらしい若手料理人が、昔から続く食文化を、逆に未来へ、食の最先端へと継承していっていただけると、とてもうれしいなと心から願い、物凄い可能性を感じることができたイベントでした。
と、真面目に書いておりますが、最後に、川嶋シェフによる「カニタワー」パフォーマンス!

当日食べられる人、めちゃくちゃうらやましいぜ!
ありがとうございました!
■こちらでもオススメのお店などを紹介しています!
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*この記事は2022年1月時点の情報を基に作成しています。
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※本記事は、2022/02/04に公開されたものです。記事内容は現在と異なる場合がありますので、事前にご確認ください。